

株主優待の「廃止予定」が一転、「継続」へ。岡山県倉敷市に本社を置く萩原工業(7856)が、2026年9月7日に株主優待制度の再開(廃止方針の撤回)を発表しました。
ただし、2027年10月期以降は「100株」ではなく「300株以上」かつ「1年以上の継続保有」が条件に変わります。つまり、今の100株保有者が来年以降も優待を受けたいなら、2026年10月28日(水)の権利付き最終日までに買い増しが必要です。
この記事では、公式の開示資料をもとに、優待内容・新ルール・必要資金・配当・会社の最新ニュースまで深掘りして整理します。
- 2023年に発表された「2026年10月期で優待廃止」の方針が、2026年9月7日に撤回された
- 2026年10月期(今回)は従来どおり100株以上が対象で、1,000円相当(3年以上保有は2,000円相当)
- 2027年10月期以降は300株以上・1年以上保有が条件。優待は1,000円〜6,000円相当
- 2027年の優待を受けるには、2026年10月31日の株主名簿に300株以上で載っている必要がある(購入期限は10/28)
萩原工業の株主優待に何が起きた?経緯を時系列で整理
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2023年9月11日 | 「2026年10月末基準日を最後に、株主優待制度を廃止する」と公表 |
| 2026年9月7日 | 株主から継続を望む声が多く寄せられたことを受け、廃止方針を変更し、内容を一部変えて継続すると決議 |
| 2026年10月28日(水) | 2026年10月期の権利付き最終日 |
| 2026年10月31日(土) | 基準日(株主名簿への記載日) |
会社側は再開の理由を、「当社株式への投資魅力を高め、中長期的に保有していただくため」と説明しています。保有期間を重視した制度設計になっているのは、この狙いが背景にあります。
【2026年10月期】今回の株主優待の内容
2026年10月31日現在の株主名簿に記載された100株以上の株主が対象です。優待品はカタログから選択する方式で、社会貢献活動団体への寄付も選べます。
| 保有株数 | 継続保有3年未満 | 継続保有3年以上 |
|---|---|---|
| 100株以上〜1,000株未満 | 1,000円相当 | 2,000円相当 |
| 1,000株以上 | 3,000円相当 | 6,000円相当 |
選べる商品ラインナップ(公式発表より)
- 1,000円相当:mt マスキングテープ/HABRIC comfyシート/QUOカード
- 2,000円相当:岡山県産 桃のフルーツプリン詰合せ/大原美術館ミュージアムショップグッズ/スパイス香る牛スジカレー/北海道 ラーメン詰合せ
- 3,000円相当:果実ごろごろアイスセット/博多辛子明太子/フルーツミニトマト
- 6,000円相当:岡山県産 備前牛 焼肉用/大原美術館ミュージアムショップグッズ/氷温製法 魚沼産こしひかり・新潟産こしいぶき 各2kg
- 寄付:日本赤十字社/AMDA/大原芸術財団
ココが便利
金額の範囲内であれば複数の商品を組み合わせて選べます。たとえば3,000円相当が選べる場合、1,000円相当の商品を3つ選ぶことも可能です。QUOカード(1,000円相当)なら、使い道に困りません。
「継続保有3年以上」の条件に注意
2026年10月期の「3年以上」は、2022年10月31日〜2025年10月31日まで、4月末・10月末の名簿に同一株主番号で7回連続して記載されていることが条件です。今から買い始める人は「3年未満」の区分になります。
【2027年10月期以降】新しい株主優待のルール
再開後の制度は、対象が300株以上に引き上げられ、1年未満の保有者は対象外になるのが最大の変更点です。
| 保有株数 | 継続保有1年以上3年未満 | 継続保有3年以上 |
|---|---|---|
| 300株以上〜500株未満 | 1,000円相当 | 2,000円相当 |
| 500株以上〜1,000株未満 | 2,000円相当 | 4,000円相当 |
| 1,000株以上 | 3,000円相当 | 6,000円相当 |
具体的な商品や寄付先の内容は、確定し次第お知らせとされています(2026年10月時点で未発表)。
継続保有期間の数え方
期間は「何年持っているか」ではなく、4月30日と10月31日の株主名簿に連続して何回記載されたかで判定されます。
| 区分 | 必要な連続記載回数 | 具体例 |
|---|---|---|
| 1年以上3年未満 | 3回以上7回未満 | 2027年10月期なら、2026年10月31日・2027年4月30日・2027年10月31日の3回連続 |
| 3年以上 | 7回以上 | 2027年10月期なら、2024年10月31日以降のすべての基準日に記載 |
つまり、2026年10月28日までに300株以上を買った人は、2027年10月期に「1年以上3年未満」の区分で優待を受けられます。逆に10月29日以降に買った人は、2026年10月31日の名簿に載らないため、2027年10月期の優待は受けられず、1年遅れになります。
100株を持っている人はどうする?買い増しの考え方
ここが一番気になるポイントです。パターン別に整理します。
| 状況 | 2026年10月期(今回) | 2027年10月期以降 |
|---|---|---|
| 100株のまま保有 | 1,000円相当(3年以上なら2,000円相当) | 対象外 |
| 10/28までに200株買い増して300株に | 同上 | 300株区分で1,000円相当(1年以上3年未満) |
| 10/29以降に買い増し | 同上 | 2027年10月期は対象外(1年遅れ) |
3年以上保有の100株ホルダーは要確認
公式の条件は「該当する保有株式数で連続して記載」とされています。100株から買い増した場合に、これまでの保有期間がどう扱われるかは開示資料から読み取れません。心配な方は、買い増す前に会社のIR窓口へ確認すると安心です。
また、買い増しは約40万円(200株分)の追加資金が必要になります。優待の価値だけで判断せず、次の章の「配当」も含めて検討しましょう。
優待よりも配当が主役?利回りをシミュレーション
配当は増配基調(2023年10月期以降は毎期増加)
萩原工業は、配当方針として連結配当性向40%を目安とし、年2回(中間・期末)配当を行っています。直近の1株あたり年間配当は次のとおりです。
| 決算期 | 年間配当(1株) |
|---|---|
| 2021年10月期 | 36円 |
| 2022年10月期 | 36円 |
| 2023年10月期 | 50円 |
| 2024年10月期 | 60円 |
| 2025年10月期 | 65円 |
| 2026年10月期(予想) | 75円(中間35円+期末40円) |
※棒グラフ:1株あたり年間配当(円)/折れ線:配当性向(%)。2026年10月期は会社予想(淡色)。配当性向が未掲載の年(2018年10月期・2026年10月期予)は表示していません。
出典:IR BANK 7856 萩原工業 決算まとめ(2026年10月時点)
保有株数別の必要資金と利回り(目安)
直近の報道(DIME)で示された株価2,021円を基準に、会社予想(2025年12月時点)の2026年10月期配当75円で計算しました。優待は2027年10月期以降の区分(1年以上3年未満)で試算しています。
| 保有株数 | 必要資金 | 年間配当(税引前) | 優待 | 総合利回り |
|---|---|---|---|---|
| 100株(今期のみ) | 約20.2万円 | 7,500円 | 1,000円相当 | 約4.21% |
| 300株 | 約60.6万円 | 22,500円 | 1,000円相当 | 約3.88% |
| 500株 | 約101万円 | 37,500円 | 2,000円相当 | 約3.91% |
| 1,000株 | 約202万円 | 75,000円 | 3,000円相当 | 約3.86% |
計算のポイント
・株価は日々動きます。購入前に必ず最新の株価で再計算してください。
・配当は予想値で、将来の増減は保証されません。配当金には約20.315%の税金がかかります。
・優待の利回りは0.15〜0.2%程度と小さく、300株以上の保有では配当がリターンの大半を占めます。
萩原工業ってどんな会社?事業内容と財務
萩原工業は、ポリエチレンやポリプロピレンを主原料とする合成樹脂繊維「フラットヤーン」の技術を中核とするメーカーです。身近なところではブルーシートで知られ、そのほか次のような事業を展開しています。
- 合成樹脂製品:ブルーシート、原糸、クロスなど
- コンクリート補強繊維「バルチップ」
- 包装資材「メルタック」
- 産業機械:スリッター(フィルムなどを細く裁断する機械)・ワインダーなど
子会社16社を通じて、日本・インドネシア・米国・中国・タイ・ブラジルなどで事業を展開しています。財務面では、自己資本比率が72.3%と高く、PBRは0.7〜0.8倍台(2026年7月時点)と、純資産に対して割安感のある水準で推移していました。その後の株価上昇で、直近は1倍近辺まで切り上がっている計算です(株価2,021円と2025年10月末の1株純資産約2,074円から試算)。
株価に影響しそうな最近のニュース
優待の再開と同じ2026年9月7日にはDBJとの提携が発表され、同時期に第3四半期決算も公表されています。
1. 日本政策投資銀行(DBJ)との資本業務提携
- DBJを割当先とする自己株式の処分を決議(処分価額は1株1,863円)
- 処分後のDBJの議決権所有割合は3.32%となる予定
- 資本・財務戦略や経営管理の高度化の支援のほか、資源リサイクルや防災分野の事業拡大に向けた情報提供などが想定されている
- 調達資金は、バルチップやメルタックの海外増産投資に充当する想定
- 提携開始日は2026年9月30日
2. 第3四半期の業績は大幅な増益
第3四半期累計の営業利益は18.4億円(前年同期比+38.2%)と、上半期の伸びから増益率が拡大しました。販売単価の上昇や数量増で、合成樹脂の売上が伸びています。
優待の再開に加え、業績の改善と政府系金融機関との提携が同時に出たことで、報道では決算発表後の株価が大幅に続伸したと伝えられました。会社は2025年12月に中期経営計画「LINK THE LEAP」を策定しており、今回の提携はその戦略を進める位置づけです。
購入前に知っておきたい注意点・リスク
- 権利落ち日(10/29)に株価が下がる可能性:優待・配当の権利を取った後は、値動きに注意が必要です。
- 2027年の優待内容は未確定:「1,000円相当」の中身は今後の発表待ちです。
- 優待制度の再変更の可能性:一度廃止を決めた経緯がある以上、将来も制度が変わる可能性はゼロではありません。
- 優待の価値は小さめ:300株で1,000円相当は、投資額に対して控えめです。優待目的だけでの買い増しはおすすめしません。
- 業績・原材料・為替の影響:樹脂メーカーのため、原材料価格や為替の変動が業績に影響しうる点は意識しておきましょう。
購入スケジュールと手順
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2026年10月28日(水) | 権利付き最終日(この日の取引終了までに購入) |
| 2026年10月29日(木) | 権利落ち日(この日に買っても権利は取れない) |
| 2026年10月31日(土) | 基準日(株主名簿に記載される日) |
| 12月〜翌年1月頃 | 優待カタログの到着(目安) |
| 2027年10月27日(水) | 来年(2027年10月期)の権利付き最終日 |
手順はシンプルで、証券口座で現物買いの注文を出すだけです。受け渡しに2営業日かかるため、10月28日の取引時間内に約定させる必要があります。当日は混雑することもあるので、余裕をもって前日までに注文するのがおすすめです。
よくある質問
Q1. 2026年10月に100株だけ買えば優待はもらえますか?
はい。2026年10月期は100株以上が対象なので、10月28日までに買えば、1,000円相当の優待を受け取れます。ただし2027年10月期以降は、300株未満では対象外です。
Q2. 優待はカタログで届くの?いつ届く?
オリジナルカタログから好きな商品を選ぶ方式です。10月末権利の優待は、12月〜翌年1月頃に届くのが一般的な目安です。
Q3. 来年も優待をもらうには、いつまでに何株必要?
2027年10月期の優待には、2026年10月31日・2027年4月30日・2027年10月31日の3回連続で300株以上が名簿に載っていることが必要です。2026年10月28日までに300株以上の購入が必要です。
Q4. 優待の廃止がなくなったのは確定ですか?
2026年9月7日に取締役会で決議された内容です。再開後の制度は2027年10月期以降の適用で、具体的な商品などは今後の発表を確認しましょう。
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まとめ:優待は「おまけ」、狙いは配当と長期保有
萩原工業の株主優待は、廃止予定から一転して継続が決まりましたが、対象は300株以上・1年以上保有へとハードルが上がりました。
- 100株の人:今期が最後の優待。来年以降も受けたいなら、10/28までに300株へ買い増し
- 新規で検討する人:300株で約60万円。配当を主役に、優待をおまけとして考えるのが現実的
- 気になる点:2027年の優待内容は未発表。会社のIRを随時チェック
配当の増加傾向、DBJとの提携、業績の改善など、優待以外の材料も多い銘柄です。投資は自己責任ですが、本記事が判断材料のひとつになれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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出典(公式開示資料)
- 株主優待制度の再開に関するお知らせ(2026年9月7日)
- 株主優待内容の決定に関するお知らせ(2026年9月7日)
- 資本業務提携契約の締結、第三者割当による自己株式の処分等に関するお知らせ(2026年9月7日)
※本記事は2026年10月時点の公開情報をもとに作成しています。株価・利回り・優待内容は変更される場合があります。投資の最終判断はご自身で行い、最新情報は企業の公式IRをご確認ください。本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではありません。


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