
チャイナショックが起きた際、保有していた投資信託を損切りした経験があります。
相場が急落している場面での損切り自体は、必ずしも間違った判断とは言い切れません。
投資を行う上では、資金を守るために損失を確定させる(損切りする)決断が必要になる局面も当然存在するからです。
しかし、当時の取引を振り返ってみると、今でも強い後悔が残っています。
その理由は「資産が減ったから」だけではありません。
実は、それ以前の「リーマンショック」の暴落時には売らずに耐え抜くことができていたのです。
それにもかかわらず、なぜチャイナショックでは耐え切れずに売ってしまったのか——。
本当に後悔しているのは、あらかじめ自分で決めていた投資ルールを、自分自身の判断ではなく他人のアドバイスによって破ってしまったことでした。
今回は、自分の投資判断を他人に委ねてしまったことで得た気づきと、そこから学んだ教訓について整理してみます。
チャイナショックの損切りで本当に後悔したこと
当時の状況と、そこから得た気づきについて、投資の振り返りを解説します。

チャイナショックのとき、保有していた投資信託を慌てて損切りしたことがあります。
でも本当に後悔しているのは、損をしたこと自体じゃないんです。

損切りして損失が出たこと以上に悔しいことって、一体何があったんですか?

一番の後悔は、自分で決めていた「この程度の下落なら売らない」という投資ルールを、信頼している人のアドバイスにあっさり流されて破ってしまったことなんです。

信頼している人からのアドバイスだったんですね。
相場が荒れていると、経験者の意見に頼りたくなる気持ちはすごく分かります……。

そうなんです。「自分より相場を知っているこの人が言うなら、本当に危ないのかもしれない」と思ってしまった。でも、後から「これって損をしたことより、他人のせいにしそうになっている自分のほうが嫌じゃないか?」って気が付いて…
投資で一番怖いのは「判断を他人に預けること」
今回の失敗から得た結論は、「投資の最終判断は、どんな時でも自分で下さなければならない」ということです。
もちろん、他人の意見や市場の知見を参考にすること自体は非常に有益です。
投資経験者の意見を聞くことは勉強になりますし、自分にはない視点を得るきっかけにもなります。
問題となるのは、アドバイスを聞いた結果として以下の状態に陥ってしまうことです。
「○○さんが売ったほうがいいと言ったから売った」
投資においては、結果が良い(利益が出た)間はプロセスが曖昧でも表面化しません。しかし、結果が悪かった(損失が出た)時に大きな問題が発生します。
今回の件で最も避けるべきだったのは、損失そのものよりも「自分の投資判断を他人に預け、責任を転嫁しそうになった自分の姿勢」でした。
リーマンショックは耐えられたのに、なぜチャイナショックで売ったのか?
実は、チャイナショックよりも前に起きた市場の大混乱——あのリーマンショックの時、私は資産が激減しても売らずに耐え抜くことができていました。
世界的な大暴落だったリーマンショックを耐えられたのに、なぜチャイナショックでは耐え切れずに損切りしてしまったのか。後から分析してみると、決定的な違いがありました。
| 暴落イベント | 周囲からのアドバイス | 自分の行動 | 後悔の有無 |
|---|---|---|---|
| リーマンショック | 特になし(他人の意見がない) | 自分のルールに従い売らずに耐えた | 後悔なし |
| チャイナショック | 信頼している人から売却を勧められた | 判断を預けてルールを破り損切り | 強く後悔 |
リーマンショックで売らなかったのは、市場を予測する能力があったからでも、度胸があったからでもありません。
単純に「他人からのアドバイスや余計なノイズが無かったから」だと感じています。誰からのアドバイスもなかったからこそ、余計な揺らぎが生まれず、最初に自分で決めた長期運用のルールに無心で従うことができたのです。
しかし、チャイナショックの時は「信頼している知人からのアドバイス」がありました。そのアドバイスが存在したことで、自分の軸がブレてしまったのです。
なぜ信頼している人のアドバイスに従ってしまったのか?
当時は、何も考えずに売却ボタンを押したわけではありません。自分なりに試行錯誤し、悩んだ末の行動でした。それにもかかわらず、最終的に他人の意見に流されてしまった理由は明確です。
「自分よりも相手のほうが正しい」と思い込んでしまったことが最大の原因です。
| 思考のパターン | 当時の精神状態・心理的リスク |
|---|---|
| 相手の方が投資経験が豊富だ | 自分の判断基準に対する自信の欠如 |
| 相手の方が相場環境に詳しい | 暴落相場に対する恐怖心からの逃避 |
| この人が危ないと言うなら本当に危ない | 思考停止と安全志向(周囲と同調したい心理) |
当時のやり取りを振り返ると、おおむね次のような流れでした。

今の相場、かなり危ないんじゃない?

そうですかね……自分のルールだと保有継続なんですが……。

まだ下がる可能性が高いと思うよ。一度売って、落ち着いてからまた考えたら?

……そうですね。一旦売却しておきます。
この局面で最も重要だったのは、売却ボタンを押す前に「なぜ自分は売るのか?自分の投資方針は変わったのか?」と自問自答することでした。
客観視で見えた「自分の弱さ」
この時の失敗を冷静に分析してみると、単に「相場を分析して判断した」のではなく、複雑な感情に支配されていたとおもいます。
一歩引いた視点から自分を観察することで、「恐怖から逃げるために、他人の判断に乗っかって売却しようとしている」「信頼している人の助言を無駄にしたくない」という本質が見えてきました。
「誰が言ったか」ではなく「なぜそうするのか」
この経験以降、自身の投資ルールに以下の基準を追加しました。
【追加した運用ルール】
「誰が言ったか」ではなく、「なぜその売買を行うのか」という根拠を自分の言葉で説明できる場合のみ実行する。
著名な投資家の意見であれ、親しい人の助言であれ、参考情報にとどめます。最終的に自分の投資基準(保有理由、許容リスク、保有期間)に照らし合わせ、納得した場合のみ売買を行います。
仮に結果が失敗(損失)に終わったとしても、「自分の判断プロセスに従った結果」であれば、課題を抽出して次回の投資戦略に還元することができます。
投資の世界において、結果を100%コントロールすることは不可能です。だからこそ、「自分の判断を他人に預けず、引き受ける姿勢」こそが、長期的に市場で生き残るために最も必要な要素だと感じています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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